1年生の理科の授業を見に行きました。シダ植物についての学習中で,2種類のシダ植物を観察しながら,きづいたことや疑問点などを書き記しているところです。複数の生徒が,葉の裏についているものに気づき,「これは何ですか」と尋ねてきましたが,ここでそれを答えては,この授業は深まりません。その後,その生徒たちは,それがどんなものであるか,さらによく観察し,「きっと○○だ」「○○のようだ」とこれかまでの経験や得られた情報をもとに考えていました。また,その後,グループ内で,歯の裏のものがなんであるかを互いの意見を基にしながら,考えを深まる場面もありました。簡単に答えがわかれば,観察もこれ以上はしないでしょうし,ましてや思考を深めることもなかったでしょう。すぐ,ネット調べて答えを見つける。すぐ人に尋ねる。そういうことが増えています。自分の頭で考えたり,答えを見出す方法を練ったりする機会が非常に少なくなっているとも感じます。それでは,思考する力やよりよい方法や新たな方法をを見出すことはできません。ネットやAIに頼りすぎれば,人の知力は容易に衰えていくことになると推測されます。すぐに答えにはたどり着かなくても,試行錯誤することが学力や知力,思考力を深めていくことには必要だと改めて感じた授業でした。